社会学の研究に役立つウェブとデータベース
                       
 

GeNii(NII学術コンテンツ・ポータル)
  社会学に限らず学術情報を幅広く検索するなら、国立情報学研究所(NII)が構築しているNII学術コンテンツ・ポータル「GeNii」にアクセスしてみよう。以下に紹介する各種の学術情報データベース、NACSIS-IRやWebcat、Webcat Plusなどなどの諸資源(コンテンツ)が、オンラインで利用できるようになっている。
 

 

NACSIS Webcat(総合目録データベースWWW検索サービス)
Webcat Plus(NII図書情報ナビゲータ)
  Webcatは、NIIが提供する目録作成システム (NACSIS-CAT) で作成される全国の大学図書館等の所蔵する図書・雑誌の総合目録データベースをウェブ上で検索するためのシステムであり、書名や著者名はもちろん、出版者や出版年、フリーワードでも検索できる。検索語には、漢字・カタカナ・ひらがな・ローマ字のどれでも使えるようになっており、使いやすい。検索結果の一覧に表示された資料名(簡略表示)のいずれかをクリックすると、「詳細表示」画面が現れ、詳しい書誌情報と共に所蔵する図書館の一覧及び貸し出し番号が表示される。さらに、所蔵図書館名をクリックすると、住所や電話番号にはじまり、ウェブのURL、受付時間、休館日、対図書館複写サービスや図書館間相互貸借が可能かどうかや注意事項などまで、非常に詳しい情報が表示される。ネットに参加している機関は、2004年3月末現在で1,026機関にもなっており、データベースへの図書登録件数は7千万件を突破しているというのだからすごい。社会学や関連分野での先行研究成果を幅広く調べるには、一押しのデータベースである。
  次にWebcat Plusは、「次世代Webcat」となることを目指して開発され、2002年10月から運用が開始された新システム「NII図書情報ナビゲータ」で、人間の思考方法に近いという「連想検索」ができる点がユニークである。これは、人間が一つの言葉からいくつもの関連する単語を思い浮かべるように、検索のために入力したキーワードや文章(自然文)から関連性の高い単語を自動抽出し、本の目次・帯・カバーや内容情報を含んだデータベースからそれらを含む図書を関連度の高い順に選び出すという優れものである。
 

 

日本社会学会
社会学文献情報データベース富山大学版
社会学文献情報データベース東北大学版
  「日本社会学会」は、3千名を越える日本の社会学研究者が会員となっている社会学分野で最大規模の学会。各年毎に発表された社会学関係の文献情報を収集・編集した「社会学文献目録」が作成され、公表されている。社会学関係の最も網羅的で詳細な文献リストであり、社会学を中心とした先行研究成果(書誌情報)を丹念に拾い上げるには最も適している。この目録がデータベース化され、1998年10月よりオンライン検索ができるようになった。「社会学文献情報データベース(SOCIO)」がそれである。印刷物の文献目録では縦横無尽に検索するといった芸当はできないが、オンライン検索ならお手の物。このデータベースでも、表題・著者名・キーワード・分類その他で検索できるので、あるテーマに関連する社会学の文献情報を収集するには格好なツールとなる。
 

 

統計データ・ポータルサイト
  インターネットから統計の所在源(書誌)情報を入手するには、総務省統計局の「統計データ・ポータルサイト−政府統計の総合窓口−」が適している。トップページから「統計データへのガイド」に入ってみよう。「定型検索」と「フリーワード検索」の2つの検索システムが用意されている。定型検索としては、1)統計名の先頭文字の50音による「50音別統計名検索」、2)「実施機関別検索」、3)「50音別キーワード検索」、4)「人口・世帯」や「司法・警察」その他による「分野別検索」ができる。フリーワード検索とは、フリーワード(質問文)を入力することで知りたい情報を順次絞り込んでいく検索方法である。これらの検索によって、書誌情報ばかりか、元になった統計調査そのものに関する情報、刊行物に掲載されている統計表に関する情報もわかり、かつまた数多くの統計表がExcelやCSV(カンマで区切られたテキスト)のファイル形式でダウンロードできるようになってもいる。このポータルサイトはさらに、国立社会保障人口問題研究所の「社人研データベース」や国立女性教育会館の「女性と男性の統計に関するデータベース」など、府省等が構築したデータベースにリンクされていたり、必要な統計表を読み込んでグラフや統計地図に加工し表示することを可能とする「ビジュアル統計DB」が用意されたりと、かなり充実しているのでぜひ活用してもらいたい。

 

国勢調査

 

社会・意識調査データベース(SORD)
  日本の社会学研究者が実施した社会調査に関する情報をオンラインで検索するなら、1998年7月に公開された「社会・意識調査データベース(SORD)」が適している。「社会・意識調査データベース作成プロジェクト」(事務局;札幌学院大学社会情報学部)により構築されたデータベースで、千件以上の社会調査情報(テーマ、代表者、領域、主要項目、実施時期、抽出方法、現地調査の方法、サンプル・サイズ、回収率など)が収録されている。その調査の成果をまとめた論文・報告書に関する書誌情報までわかるので、重宝だ。論文・報告書を取り寄せて詳細に検討するとよいだろう。なお、同プロジェクトにより『日本の社会・意識調査』と題する冊子体の報告書が刊行されているが、それに掲載されている成果の一部(日本社会学会会員による1980年以降の「社会・意識調査に関する調査」の回答結果)はウェブ上でも公表されている。

 

SSJデータ・アーカイブ
  世論調査年鑑やSORDから得られる情報は、その調査の概要や実施主体の手による集計結果であって、調査データを二次的に加工・分析したり、再集計を施すようなこと(=「二次分析」)は基本的にできない。SORDの場合は、調査の個票データ(個々の調査票の記入内容=マイクロデータ)も提供しているが、2004年8月現在、利用が可能なのは16件の調査にすぎない。そんな中で、東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センターが、「我が国で実施された統計調査、社会調査の調査個票データと調査方法等に関する情報を収集・保管し、学術目的での二次分析のために提供することを目的」に、SSJデータ・アーカイブ(Social Science Japan Data Archive)を構築して、個票データを1998年より公開しているのが注目される。利用可能なデータセットも年々増加し、2004年8月現在では470件を超えている。調査個票データを利用できるのは、原則として大学や研究機関の研究者(大学院生を含む)の学術目的に限定されているが、一部のデータについては、「教員の指導を受けた大学の学部学生による研究目的の利用」並びに「教員の指導による教育目的の利用」の道が開かれている。利用にあたっては、利用申請書の提出(「利用に当たっての誓約事項」への同意)と許可が下りることが必要であり、また利用期限終了後には個票データ利用報告書を提出しなければならない。学生が個票データを利用することは、上記を除くと基本的に出来ないが、以下のような情報に関してはインターネットを通じて一般に公開されているので、これだけでも有効に活用すべきであろう。調査名・寄託者・利用方法・調査の概要(目的)・調査対象・データ数(サンプルサイズ)・有効回収数及び回収率・調査時点・調査地域・標本抽出方法・調査方法・調査実施者・委託者(経費)・報告書・関連論文等・主要調査事項・調査データ区分・調査票(単純集計結果)、など。もちろん、検索もできる。

 

質問紙法にもとづく社会調査データベース(SRDQ)
  2004年3月、SORDやSSJDAとは違った新しいタイプの社会調査データベースが誕生した。大阪大学大学院人間科学研究科SRDQ事務局が構築・運営する「質問紙法にもとづく社会調査データベース」がそれである。2004年9月現在で113件の社会調査情報が収録されているが、質問文と選択肢と集計結果をデータベース化している点が大きな特徴であり、質問文と選択肢は、収録されている調査の中からキーワードによって横断的に検索することもできるようになっている。また、「社会階層と社会移動(SSM)」全国調査(1955・65・75・85・95年)のような利用価値の高い調査に関しては、オリジナルの質問紙(調査票)や成果報告書/論文もPDFファイルで収録されている。1)単純集計結果(度数分布表)はもちろんのこと、2)ケースの要約、3)クロス集計(カイ二乗検定やクラマーのV係数の算出などを含む)、4)Webキューブ、5)T検定、6)一元配置の分散分析、7)線形回帰といった合計7つの「分析メニュー」が用意され、インターネットのブラウザ上でどの調査項目を変数にするかを選択するだけで即座に分析され(SPSSのWebAppが組み込まれている)、結果を得ることができるようになっている点が何よりもスゴイ。この点は、SSJDAのように「利用申請書」の提出と許可を得た上でなければ「個票データの二次分析」を行えないという「制約」を一切取り払って、いつでも誰でもブラウザ上でオープンに「二次分析」が行えることを意味する。研究利用と同時に、大学・大学院での社会調査関連のゼミや授業での教育効果が見込まれよう。結果の出力も、CSV形式のファイルに保存し、MS Excelなどの表計算ソフトに取り込むことが可能である。また、SSM(95)などいくつかの重要な調査については英語化されているので、海外の研究者への情報提供も期待できる。

 

ソキウス 【社会学系ウェブ】
  社会学系ウェブの代表格は、何といっても野村一夫氏の「ソキウス」だろう。内容的にもデザイン的にも、また奥深さの点でも、社会学関係の中で最も充実したホームページとしてつとに有名だ。野村氏の著作や基本文献を紹介し、各テーマについて社会学がどう取り組んでいるかについて解説する、非常に優れた知的支援ハイパーガイドである。「ソキウス」は、情報の豊富な供給源であり、知的好奇心を大満足させてくれる「正に逸品!」といっていい。これ以外のウェブに関しては、ソキウス内に社会学関係の主要リソースリスト(リンク集)があるので(トップ>ソシオリウム>社会学メタリンク)、そこか上記のYahoo! Japanの社会学のディレクトリなどを入り口にしてネットサーフィンして、お気に入りの社会学系ウェブを探してみよう。

 

法政大学大原社会問題研究所 【社会学系文献データベース】
  「社会・労働関係文献データベース」が優れている。戦前・戦後のポスターや書簡などを検索して画像で閲覧できる「画像データベース」や学術論文が読めるリンク集「E-textリンク」などと共に、同研究所の創立80周年を記念して1999年に開設された電子図書館・資料館「大原デジタルライブラリー」に納められている。検索可能なデータ数は、論文が約17万件、和書が約10万件、洋書が約3万件の総計約30万件で、収録文献はすべて同研究所が所蔵している。読みたい文献を手にするには同研究所の閲覧室を利用すればよい。

 

社会学電子文献目録 【社会学系文献データベース】
  大阪大学大学院人間科学研究科社会環境学講座の「社会学電子文献目録」は、インターネット上で読める社会学文献へのリンク集であり、目的の文献に直接ジャンプできる「直接リンク編」と、間接的にリンクをたどって文献を探せる「間接リンク編」に分かれている。文献の書誌情報を探すためのリンク集や、社会学関連サイトへのリンク集も用意されている。

 

社会調査士資格認定機構 【社会調査士/専門社会調査士の資格】
  2003年11月、社会調査に関する教育体制の整備、調査を担当する人材育成の組織化、専門的職業としての資格の制度化を主目的に、日本社会学会、日本教育社会学会、日本行動計量学会の3学会が、「社会調査士資格認定機構」を設立した。学部卒業レヴェルの「社会調査士」と大学院修士課程修了レヴェルの「専門社会調査士」という2種類の資格(ライセンス)が用意され、2004年より資格認定業務がスタートした。それぞれの資格毎に、大学・大学院で修得しなければならない科目群が定められているので、特に社会調査の専門家の道に進みたいと思う人は、同認定機構のウェブから詳しい情報を得て欲しい。

 

インターネット学術情報インデックス 【全分野の学術系ウェブのデータベース】
  東京大学附属図書館・情報基盤センターが構築・公開している。インターネット上に存在する多くの教育・研究上有用なウェブ(データベースやリンク集などを含む)の情報源を蓄積して、効率的に検索できるようにしたデータベースであり、2004年8月現在、約3,800件が収録されている。日本国内ばかりか海外のウェブも多数収録されているが、その全てについて内容などを紹介した日本語による一覧表からリンク先に飛べるようになっているので使い勝手がよい。全文検索方式と分類に基づくディレクトリ方式の二通り(単独又は併用が可)で情報検索できる。社会学を含む全学問分野のウェブの情報を知るには格好なリソースとなるはずだ。

 

日本国内図書館OPACリスト
  ここ数年、オンライン検索用目録(OPAC;On-line Public Access Catalog)と呼ばれるウェブ上から資料を検索できるシステムを整備する図書館も多くなっている。ちなみに、日本国内のOPACをほぼ網羅した非常に充実したリンク集を作成・公開している農林水産省の農林水産研究情報センターによる「日本国内図書館OPACリスト」には、2004年8月現在、約480もの図書館(先に触れた国立国会図書館のNDL-OPACをはじめ、大学図書館や公共図書館、専門図書館など)のOPACにリンクが張られている。OPACを利用すれば、これらの図書館で所蔵する資料に関しては、自宅や研究室に居ながらにして(インターネットにつながったPCから)検索できてしまう、というわけである。
 ※このサイトは、後藤ゼミOBで観察学会MLの管理者でもある林賢紀氏が制作し、長らく管理にあたっていました。

 

朝日新聞 / 読売新聞 / 毎日新聞
 新聞・雑誌記事横断検索 / 日経goo / 日経テレコン21
 【新聞記事検索】
   社会学の研究にとって、新聞記事も極めて有用な情報資源である。各新聞社ともウェブ上から無料で検索できるサービスを提供しているが、最近の記事に限定されている。朝日新聞では過去3ヶ月、読売新聞と毎日新聞では過去半年(ただし、読売は登録が必要)、といったところだ。それよりも前に遡って検索するには、有料のサービスに頼らざるを得ない。詳細は各新聞社のウェブに掲載されている案内にゆずるが、いずれも1980年代半ば以降の記事をオンラインで検索することが可能だ。新聞社以外の機関が提供する有料のオンラインデータベースとしては、さしあたり@niftyの「新聞・雑誌記事横断検索」がよいだろう。朝日(1984年以降)・読売(1986年以降)・毎日(1987年以降)をはじめとする全国紙、地方紙、専門紙、政党紙、スポーツ紙、週刊誌、経済誌などの約50紙誌のデータベースを横断的に検索できる。もっとも、これは@niftyの会員向けサービスなので、入会する必要があると同時に、別にデータベースの利用料金がかかる(概ね、見出し一覧表示が1件につき5円、全文表示が1件につき50円〜100円程度)。さらに、日経新聞記事に関しては、この検索サービスの対象には含まれていないので、日経gooの「日経4紙検索」(日本経済新聞、日経産業新聞、日経流通新聞ML、日経金融新聞の記事検索)や日経テレコン21のデータベース(日本経済新聞など100近い新聞や雑誌の記事を20年以上過去にさかのぼって自由に検索できる)を利用すればよい。両方とも会員向けの有料サービスであり(日経gooは見出しまでの検索なら無料)、特に日経テレコン21は料金が高いので学生には不向きかもしれない。
  有料のデータベースを利用する際には、ヒット件数が多い場合、絞り込んでいかないと時間と料金がかさんでしまうので、予め検索に使うキーワードを何種類か決めておいた方がよいだろう。また、いくつもの記事の全文を全て読むとなると、やはり料金が相当かかるので、記事の見出しと掲載年月日だけを呼び出して(あたりをつけて)、図書館で縮刷版(冊子体)かCD-ROM版をゆっくり読むようするなどの工夫も必要だ。絞り込むためには、1.AND検索、2.OR検索、3.NOT検索、の3つの検索方法を知っておくことも大切である。AND検索というのは論理積(指定したキーワードがAとBなら、AかつB、すなわちAとBの全てを含む記事)、OR検索は論理和(AまたはB、すなわちAかBのいずれかを含む記事)、NOT検索は論理差(AであってBでない、すなわちAを含みBを含まない記事)の検索を意味するが、これは多くのデータベースで共通している。

 

データベース・インフォメーション・センター 【有料データベース】
  ジー・サーチ社は世界最大級のデータベース・プロバイダーであり、@niftyやBIGLOBE、So-net、ASAHIネットなどなどのインターネット・サービス・プロバイダー各社による会員向けデータベースサービスの多くが、実はジー・サーチ社が提供している。「一般紙」「専門紙・業界紙」「書籍・雑誌」「速報・メールサービス」「官公庁」「企業」「人物」「マーケティング」「法律・特許・技術情報」「趣味・実用」「海外データベース」の11のカテゴリー別に、約180種類の有料データベースが配されている。上でも紹介した「新聞・雑誌記事横断検索」をはじめ、1927年以降に国内で出版された約175万冊にのぼる本の情報を収録した国内最大の図書内容情報データベース「Web BOOKPLUS」(書誌情報だけでなく、目次・要旨・あらすじなどの内容も閲覧できる。見出一覧表示:無料、詳細表示:1件30円)、1945年以降に刊行された雑誌約8,500誌・485万件の記事情報に加え、戦後国内の学術団体が刊行した人文社会系の研究報告や学術論文集約6,000冊に掲載されている論文タイトル約35万件を収録した国内最大の雑誌・論文情報データベース「Web MAGAZINEPLUS」(ポピュラーな週刊誌・月刊誌、学術雑誌や経済誌、海外企業誌紙など国内外の様々なジャンルの逐次刊行物を収録している。見出一覧表示:無料、詳細表示:1件40円)など、利用価値の高いデータベースがそろっている。希望する地域の住宅地図情報をブラウザ表示/データでのダウンロード/FAXにより入手できる「ゼンリン住宅地図サービス」や、米・英・カナダなどの主要紙を一括して検索できる「英米の主要紙横断検索」といった変わり種もある。

 

日本都市社会学会

国立国会図書館

本の街・神田

アリアドネ(人文系リソースリスト)

ビデオリサーチ

国会会議録検索システム

レイチェル・カーソン日本協会


 *ウェブサイトのURLは、いずれも2005年1月末現在のものである。頻繁に変更されるので、情報の更新をこまめにすべきだろう。もしもここで紹介したURLにアクセスできない場合は、GoogleYahoo! Japanその他のサーチエンジンを使って検索してほしい。