生命科学~普遍的で多様な生物を学ぶ~

今回の講義に関するメッセージ

生物は普遍性(同じであること)と多様性(様々であること)という相反する性質を、ともに持つ存在です。現在の地球上には非常に様々な生物が生息しています。しかしながら、その生物たちの体がどのようなメカニズムで機能しているのかを見ると、驚くほど普遍的であることが分かります。これが生物の普遍性と多様性です。生命科学を学び、そして研究していると、生物たちが(もちろん我々ヒトも含めて)共通したメカニズムを使ってうまく生きていることに驚かされます。また同時に、様々な生物たちがそれぞれの戦略をもって巧みに生きていることにも感動を覚えます。そんな「わくわく」を、この日本大学文理学部で皆さんと共有したいと思っています。

先生の研究テーマは?

昆虫の分子生物学です。特に変態について研究しています。変態というのは、芋虫が蛹に、蛹が蝶に、というように発生の過程で体の構造が大きく変わる現象です。この変態現象がどのように調節され、どのように実行されるのか、そのメカニズムを探究しています。

なぜこの研究を始めたのでしょうか?きっかけは?

私はいわゆる「昆虫少年」でした(たぶん)。昆虫たちの面白い性質、姿形にも興味を持っていましたが、特に変態について興味がありました。「あの蛹の中で、いったい何が起こっているのだろう」、「完全変態(蛹になる変態様式)と不完全変態(蛹にならない変態)とは何が違うのだろう」と不思議に思ったものです。しかし、「これは神秘なことで、人間には分からないことなんだ」と子供心に思っていました。ところが、大学の生物学科に進学して所属研究室を選ぶ段になって、まさに昆虫の変態現象をテーマにしている研究室があることに気付いたのです。迷わずその研究室に所属し、今に至ります。

先生の小さいころの夢は何ですか? また、その夢と今、現在のギャップは?

物心がついてからの夢は、学校の先生か昆虫博士(笑)だったと思います。その両方が叶えられている今の幸運に、大変感謝しています。ただし、大学教員としても昆虫研究者としてもまだまだ未熟ですので、少しでも熟達することが今の目標です。

先生のご出身地は? & 故郷自慢をお願いします!

東京都練馬区です。練馬区は都立石神井公園を擁し、23区の中でも比較的自然の残された場所です。私が子供の頃は今よりも自然が多く、友人たちと近所の屋敷森に忍び込んでクワガタムシを採ったりしましたし、母の職場(区立の小学校)の周辺にはまだオオムラサキがいたようです。そんな環境が私を虫好きに育てたのかもしれません。もっとも、男の子はたいがい虫好きだったような気がします。

ご趣味・特技はありますか?

合唱(高校時代からやっていますが、今は育児休暇中です。)
写真撮影(風景・昆虫・草花など)
昆虫飼育(特に水生カメムシが好きです。)
星空観察 など

好きな音楽はありますか?

いわゆるJ-POPをよく聞きます。洋楽だとカントリーやR&Bなどが多いです。

どのように休日を過ごされていますか?

最近は、もっぱら娘たちと遊んでいます。

プロフィール

外川徹 Toru Togawa
[略歴]
1996年3月:東京都立大学理学部生物学科 卒業
2001年3月:東京都立大学大学院理学研究科生命科学専攻博士課程終了(博士(理学)取得)
2001年4月-2004年7月:東京都立大学大学院理学研究科生命科学専攻 博士研究員
2004年8月-2008年3月:ジョージア大学細胞生物学科 リサーチアソシエイト
2008年4月-2009年3月:(独)農業生物資源研究所 博士研究員
2009年4月- 日本大学文理学部教員

[研究分野]
分子生物学・分子内分泌学

[所属学会]
日本分子生物学会
日本蚕糸学会
日本応用動物昆虫学会

フォトギャラリー

2014年度の研究室メンバーです。

2005年のフロリダでの学会で、ポスター発表した時の様子です。この頃はマラリア蚊を用いて研究していました。

アリゾナにあるサワロ国立公園での落日です。学会でアリゾナに行った際に、この国立公園も訪れました。発表などの合間に付近を観光するのも、学会の楽しみの一つです。

父の代から愛機はニコンです。

飼育中のコオイムシです。メスがオスの背中に卵を産みつけるので、この名(子負虫)がついています。