自己効力感とは・・・ 

 Bandura(1977)が、提唱した社会的学習理論の中で紹介されたものである。それによれば、人間の行動を決定する要因には、「先行要因」「結果要因」「認知的要因」があり、これらが絡み合って、人と行動、環境という三者間の相互作用が形成されていると言う。
 Banduraによれば、行動の先行要因の「予期機能」には、次のような2つのタイプがあるとされている(図1-2)。

 

  第1のタイプは、ある行動がどのような結果を生み出すかという予期であり、これを「結果予期」と言う。第2は、ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度上手く出来るかという予期、つまり「効力予期」である。そして、自分がどの程度の効力予期を持っているのかを認識した時に、その人には、自己効力感があると言う。言い換えれば、行動を起こす前に感じる「出来そう!」という気持ちや『自分にはこれだったらここまで出来るんじゃないか』という考えが、自己効力感である。
 こうした2つの予期は、図1-3に示されたように行動や気分などに影響を及ぼすと言われている。 

 

 Banduraは以上のように予期を2つに分けて考えているが、さらい言えば、効力予期は結果予期や過去の体験よりも行動変容にとって重要な要因であると主張している。つまり、現在こう行動すれば、よい結果(結果予期)を得られると分かっていても、あるいは過去に同様の行動をとって、よい結果を得ることが出来たとしても、「現在自分がこう行動することが可能である」という自信(効果予期)がなければ、その行動は達成されないということである。これをスポーツ場面で例えるとすれば、走り高跳びで過去に跳べた高さであり、技術的にも達成可能であったとしても、跳躍の瞬間に選手が「跳べない、無理だ」と思うことで、失敗してしまうということが考えられる。

 次は、自己効力感の先行要因について述べようと思う。