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フランス語学習案内
French

【フランス語の利用範囲】

■使用国・地域・使用者数

 フランス語は、フランス本国のほかにベルギー(一部)、スイス(一部)、ルクセンブルクなどのヨーロッパ諸国、諸地域やフランスの海外県(グアドループ、マルチニク、フランス領ギアナ、レユニオン島)、海外領土・海外準県(フランス領ポリネシア、ニューカレドニア、サンピエール=ミクロン島、ウォリス・フツナ諸島、サン・マルタン島、サン・バルテルミー島)、さらにはカナダのケベック州を中心とした地方、北アフリカ、西アフリカ諸国(チュニジア、モロッコ、アルジェリア、モーリタニア、ニジェール、マリ、セネガル、コート・ディボワール、ギニア、ベナン、カメルーン、ブルキナ・ファソ、ガボン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国など)で母語あるいは公用語として用いられている。これらの国々や地域を集めた「フランス語圏(francophonie)」という概念を軸にした国際機関(国際フランコフォニー機関)が存在し、隔年で総会を開催している。

話者の数としては、フランス本国がおよそ6千万人、その他諸国諸地域を含めると1億2千万人から2億人(フランス本国ではおよそ6千万人)といわれる。

 

■利用の多い分野

 フランス語は政治、外交、学問、芸術、スポーツ、ファッション、美食、その他人間文化のすべての面で広く利用されている。

 まず哲学の世界では、デカルト、パスカルから20世紀のサルトル、フーコー、デリダらに至るまで、常に思想界の先頭走者が用いた言語であったし、現在もそうである。彼らの思想はフランス語という言語の性格に密接に関わっている。法学の分野では18世紀に『法の精神』を著したモンテスキューが知られている。経済学においては、農本主義で知られるケネーや近代経済学の始祖の一人、ワルラスから今最も注目される経済学者トマ・ピケティがいる。社会学の世界では、19世紀のデュルケム、コントから20世紀のブルデューに至るまでフランス独自の学問伝統がある。歴史学では、20世紀前半にそれまでの歴史学の概念と方法を一新したアナール派のマルク・ブロック、リュシアン・フェーヴルとそれを引き継いだルロワ・ラデュリ、フェルナン・ブローデル、アラン・コルバンらの著作はすべてフランス語で書かれている。文学およびその研究の分野でも常に世界をリードしてきたのがフランスであり、近代文学の作家として思い浮かべることのできるビッグネーム、スタンダール、ユゴー、バルザック、フローベール、ボードレール、ヴェルレーヌ、ランボー、マラルメ、ヴァレリー、ジッド、プルーストらはみなフランス語で書いた。また文芸批評の分野でも19世紀に伝記批評を開拓したサント=ブーヴから記号学の大家ロラン・バルトまで、学問としての文学研究の分野で、様々な分析手法を生み出してきたのもフランス語である。20世紀以降の多くの文学理論はフランスに端を発していることを確認しておこう。

 フランス語の学問的伝統は人文系の領域に限られたものではない。数学では輝かしい成果の多くがフランス語によって著された。パスカルやデカルトは哲学者としてだけでなく、数学者としても多くの著作を残しているし、わずか20歳で恋人をめぐっての決闘の末にこの世を去った天才ガロアは、現代数学の基礎を築いたと言われる。現代でも、「数学界のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞の受賞者数で、フランスは世界第2位である。物理学や化学の歴史にもフランスはキラ星の如き学者たちを輩出している。「フーコーの振り子」で知られるレオン・フーコーからマリー・キュリー、放射能の単位に名を残すベクレル、ラボアジェ、ゲイ=リュサックなど枚挙にいとまがない。医学の分野にも、クロード・ベルナールやパストゥールはもちろんのこと、精神医学の分野でとりわけ重要な仕事がなされていて、ワロン、ピアジェ、そしてラカンらがその代表的な学者である。

 学問だけではない。芸術分野こそ、フランスがもっとも得意とする領域であろう。美術の歴史、特にルネサンス以降のフランス絵画や、中世の教会建築、近代彫刻などを語る言葉もまたフランス語である。音楽についてはドイツやイタリアに一歩譲る麺もなくはないが、やはり批評の言語としてもっとも重要な言語の一つはフランス語である。また、文化活動の分野では、とりわけ服飾デザインの世界でフランス語は常にトップを走ってきた人々の言語であった。シャネル、サンローランと       もいいだろう。フランス料理は美食の象徴であり、エスコフィエによって集大成されたレシピは、やはりフランス語で書かれている。ワインの世界も今やグローバル化されたが、その周辺で用いられるのはフランス語だ。近年、これら文化領域でのキャリアをつもうとする若き日本人が多くフランスで学ぶようになったが、彼らがまず身につけなくてはならないのもフランス語だ。

 さらに、政治や国際関係、スポーツの分野でもフランス語の出番は多い。国連の公用語の一つであることはよく知られているところだが、英語とならんで2つだけの国連における作業言語とされていることも知っていてほしい。18世紀以来長い間フランス語は外交用語としてナンバーワンの地位を保ってきた。今日でも外交上の儀礼にフランス語は多く使われている。例えば、アグレマン(大使など外を受け入れる時に、予め当該人物を受け入れると同意すること)やアタッシェ(大使館などで働く外交職員)といった言葉はフランス語そのままで使われている。スポーツ分野でも、特にオリンピック関係ではフランス語が多く使われている。近代オリンピックの提唱者であったクーベルタンのおかげでもあるが、ほとんどの競技での案内アナウンスには、英語、フランス語と開催国の国語が使われる。また、競技によってはフランス語がスタートの合図として使われるもの(たとえばボート競技)もある。

 ■フランス語の特徴、近縁言語、クレオール、ピジン

 フランス語はラテン語から生まれた言語である。中世を通じてラテン語自体が大きく変化しつつ、地域言語であったフランス語(の祖先)と交じり合い、現代のフランス語の元を作った。

 フランス語の近縁言語としては、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などがあるが、ラテン語からこうした各国言語に別れてから時間が立っていることもあり、これらとは別個の言語として学習しなければならない。また、フランスがかつて植民地化した地域には、ピジン(現地人とフランス人が接触することによって生まれた混合言語、次の世代に伝えられることはない)、クレオールはピジン言語が次の世代に受け継がれて母語かしたもののことで、マルティニークなグアドループなどに見られる。これらの地域では、文学作品もクレオールで書かれたものがある。

【フランス語を学ぶために】

■発音について

 音声的な特徴としては、二重母音がないこと。鼻母音を含む16種類の母音を持ち、母音の連続を嫌うところなどラテン語の系譜を引くところが見られる。このため、種類の多い母音や特徴的な子音([r]など)を除けば日本人にも発音は容易だといえる。カタカナを読むような発音でもなんとか通じるのがフランス語だといっても良い。

■文法について

 文法をみると、やはりラテン語に由来する名詞の性、数の別とそれに起因する形容詞の語形変化といった、名詞周辺の特徴と、動詞の「法」という概念が初学者に戸惑いを感じさせる部分であろう。ラテン語のような名詞の格変化はない(「格」概念は人称代名詞の語形にその名残をとどめている)ものの、動詞の語形変化が極めて多彩である(一つの動詞にはおよそ100種類の変化形がある)ことが学習者にとって障害となっているようだ。

■語彙について

 フランス語の語彙の多くはラテン語に起源をもつが、ガリア(現在のフランスのローマ時代の呼び名)に暮らしていた、ケルト系のガリア人の言語や、ゲルマン系の言語に起源を持つ語彙も見られる。なお、1066年のいわゆる「ノルマン・コンクエスト」の結果、イギリスの支配者となったノルマンディ人の言語(古フランス語)が英語に流入した結果、現在の英語の語彙の7割り程度はフランス語に起源を持つと言われている。

 

【フランス語の学習リソース】

■参考書

 現在一般に手に入りやすい自習用の参考書としては以下のものがある。

大学1・2年生のためのすぐわかるフランス語(中島万紀子著、東京書籍)

増補改訂版 新・リュミエール―フランス文法参考書(森本、三野著、駿河台出版社)

フランス語をひとつひとつわかりやすく。―超基礎からの個人授業(学研教育出版)

フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!(清岡著、白水社)


●文法書

 日本語で書かれたフランス語文法の包括的な著作といえば、

新フランス文法事典(朝倉季雄著、白水社)

であるが、もう少し初級者にも読みやすいものとして、

フランス語ハンドブック(新倉俊一著、白水社)や

フランス語文法総解説(町田健著、研究社)

などがある。


●練習問題

特に文法をマスターするには、徹底的に練習問題をこなすことが欠かせない。

フランス語練習問題―機能本位(丸山、福井ほか著、駿河台出版社)

フランス語文法問題の解き方<練習問題>(権寧著、駿河台出版社)

フランス語表現とことんトレーニング(中野茂著、白水社)

などを使って問題をたくさん解くことが最上の方法である。

 

■辞書
 ●紙の辞書と電子辞書

 現在、フランス語の辞書を大きく分けると紙の辞書と電子辞書という二分法がなりたつだろう。電子辞書にもじつは2種類ある。一つは、液晶表示部と小さなキーボードというハードウェアをもち、そのメモリー内に辞書データと検索ソフトを内蔵したもの(一般的にはこれを電子辞書と呼ぶ)。もう一つは、パソコン、スマホ、タブレットなどにインストールして使うためのアプリケーションソフト、あるいはアプリと呼ばれる電子データ。これをすでに持っているハードウェアで利用する場合、そのコストは紙の辞書より安くなることがある。たとえば、『プチ・ロワイヤル仏和・和仏辞典』の場合、紙の辞書のお値段は約9500円になるが、パソコン用ソフトでは6000円ほど、スマホのアンドロイドアプリでは、6000円を切る。しかし、これは単に価格を比較しただけであることに留意してほしい。パソコンをいつも持ち歩くのは大変だし、スマホで辞書アプリを使うことは、表示画面の小ささに起因する表示情報量に制約されるため、かならずしも使い勝手がよいとはいえない。この点はハードウェア電子辞書の場合も同じである。現在電子辞書に収められている電子データは、すべて紙の辞書を電子化したもので、『クラウン仏和辞典』と『プチ・ロワイヤル仏和辞典』が大半を占め、その他に主にパソコン用のソフトとして、『コンコルド仏和・和仏辞典』や『ディコ仏和辞典』などがある。電子辞書と紙の辞書の実際の違いは外見上のものが殆どで、電子辞書の内容は実は一部の紙の辞書そのものなのだ。電子辞書の中身(データ)を提供している紙の辞書は全体から見るとほんの一部で、わずかに2〜3種類に過ぎない。つまり、電子辞書のほうが選択肢が実は少ないと言える。

 以上の点を考慮にいれて、フランス語辞書(とりあえず仏和辞典)として初学者が買うべきは紙の辞書か、電子辞書か、という疑問に対する答えは以下のとおり。

  •  ●紙の辞書を買って、それを「使い倒す」べし。

 紙の辞書を引くには、幾つかの能力が必要だ。まず、アルファベット(フランス語の発音では「アルファベ」)の文字の順番が完全に頭に入っていること。もう一つ、フランス語の動詞にあっては不定形(原形)、形容詞にあっては男性単数形が、テクスト中に表記されている語形からすぐに思い浮かべられること、である。この2つの能力を鍛えるためには、紙の辞書の方が良い。また、紙の辞書は引けば引くほど、本は汚れ、ボロボロになっていく。辞書がきれいなままであるということは、あまり使っていないということだ。こういうことは電子辞書では分からない。さらに、電子辞書は検索した単語についての情報が表示されるのだが、その単語のみで、紙の辞書であれば視野に入ってくるその単語の前後や付近に書かれている単語は、全く見ることができない。実はこれが案外大事なことなのである。紙の辞書なら、目的の単語の前後を含む見開き2ページをぼんやりと眺めることができる。それらの単語の多くは、近縁の語なのである。こうした、紙の辞書の利点は、電子辞書の検索スピードの速さという利点を上回るばあいがあるのだ。電子辞書はむしろ、その言語にかなり通じている中級以上の学習者にあっているといえるだろう。


●推薦辞書リスト

紙の辞書

プチ・ロワイヤル仏和辞典(旺文社)

クラウン仏和辞典(三省堂)

ディコ仏和辞典(白水社)

プログレッシブ仏和辞典(小学館)

白水社ラルース仏和辞典

ロベール・クレ仏和辞典(駿河台出版社)

以上の掲載順は推薦順ではない。書店で手にとって見て、弾きやすそうだと感じたものを選べばよいだろう。

■ラジオ・テレビのフランス語講座

NHKのラジオ、テレビでは毎年1年で完結するフランス語講座を開いている。テレビ講座は実践的な会話が中心であり、ラジオ講座の初級の内容は、大学で教えられる1年次のフランス語にほぼ準じたものである。

  •   テレビでフランス語(NHK Eテレ 毎週水曜深夜0時より)テキストあり
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  •   まいにちフランス語(入門編・月〜水、応用編・木、金)2度再放送あり
  •  
  •   インターネットでも番組配信中

 

■フランス語の学校

特にフランス語の実力を付けたい場合には、大学の授業だけでは物足りない人のため、以下の様な学校がある。

アンスティチュ・フランセ東京(フランス政府が出資している学校。授業はすべてフランス語)

〒162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15

 

Tel : 03-5206-2500

Fax : 03-5206-2501

E-mail : examens@institutfrancais.jp

ホームページ : www.institutfrancais.jp/tokyo

 

アテネ・フランセ(戦前から続くフランス語学校、英語の授業もある)

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2ー11

Tel : 03-3291-3391

Fax : 03-3291-3392

http://www.athenee.jp/index.html


■インターネット上の有用なサイト・ ポッドキャスト

ネット上には無料でフランス語を教えてくれるサイトがある。ただし、内容は全てフランス語のみ

http://www.francaisfacile.com

podcastfrancaisfacile.com

以下にあげるのはフランスにあるフランス語学校の紹介サイト、日本語のページもある。

http://www.france-langue.fr

 

■知っておくと便利なアドレス

●フランス大使館

フランス大使館には、言語参事官と呼ばれる、日本におけるフランス語教育を担当する外交官がいる。インターネット上でもフランス語教育に関する情報を公開している。

http://www.ambafrance-jp.org/spip.php?rubrique7

●提携大学

アヴィニョン大学(日本大学との協定校)

http://www.univ-avignon.fr

ストラスブール大学ルイ・パスツール研究所(文理学部との協定校) http://www.unistra.fr/index.php?id=18700