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中国語学習案内
Chinese

【中国語の利用範囲】

■ 使用国・地域、使用者数

 多民族国家である中国では系統を同じくする,或いは系統を異にする多数の言語が話されているが,主要には最大多数を占める漢民族の言語が用いられる。中国語で“汉语Hànyǔ”(漢語)とは正に「漢民族の言語」を意味する。一方,広大な面積を持つ中国において,同じく“汉语”と称してはいても,その内部には多くの方言が含まれており,また諸方言間の差異も大きい。方言の違いによっては口頭での会話が全く不可能な場合すらある。ヨーロッパであれば優に2桁の「国語」に匹敵する方言がある。しかし漢民族自身は自らの言語が複数の異なる言語から成っているとは思わないであろう。長い歴史を通じて共通の文化基盤(とりわけ共通の文字言語)を有する彼らにとって,それはあくまで方言の違いに過ぎず,やはり同じ「漢語」なのである。
 とはいえ,実際のコミュニケーションのためには国家としての(或いは民族としての)共通語が必要なことは言うまでもない。現在中国では北方方言を基礎とする共通語が公用語として定められており,“普通话Pǔtōnghuà”(普通話,「遍く通ずる言葉」の意)と称する。台湾やシンガポールで公用語として用いられる中国語も同様である(台湾では“國語Guóyǔ”(国語),シンガポールでは“华语Huáyǔ”(華語)と称する)。日本で一般に「中国語」と呼ばれる言語もこの“普通话”である。

 中国語を公用語と定めている国・地域は前述の通り中国,台湾,シンガポールであり,使用人口はそれぞれ約13億人,2300万人,380万人にのぼる(但しその全てが母語話者ではない)。その他,世界各地に居住する多数の中国系人(少数民族を含む)も近年では大方が“普通话”を使用できる。

■ 利用の多い分野

 このように,中国語は世界的に見て圧倒的多数の使用人口を有しており,俗に「世界中で3人に1人は中国語を話す」と言われる通りの有力な言語であり,国連の公用語でもある。使用地域の面積は英語に及ばないようではあるが,前述のように中国系人は世界中に居住しており,各地でコミュニティーが形成されている。そこでは中国系人向けの新聞等が発行されていることも多い。また,所謂「中国料理店」も世界の至る所に見られるし,近年の経済発達に伴い,世界各地で中国語を使用できる従業員等を雇用している商店や企業も多い。中国語を使用できることが如何に有利であるかは,海外旅行の際や社会で働く際に強く実感できるであろう。

■中国語の特徴、近縁言語

 漢民族の言語である“汉语Hànyǔ”は,系統的には“汉藏语系Hàn-Zàng Yǔxì”(シナ-チベット語族, The Sino-Tibetan Family of Languages)に属すとされる。これは東アジア,東南アジアを中心に広く分布しており,中国の多くの民族の母語であるとともに,タイ語,ビルマ語,ラオス(ラオ)語,カンボジア(クメール)語,ゾンカ語等,いくつかの国の公用語も含まれる。この語族の大部分の言語は音節毎に声調(tone)を有するのが特徴であり,またチベット語,ビルマ語を除き語の形態変化に乏しく,主に語順と機能語によって統語関係を表す。
 この「語の形態変化に乏しく,主に語順と機能語によって統語関係を表す」という特徴から,中国語は言語類型論的には「孤立語」に属すとされる。

 言語的系統関係に拘らず,中国文明の圧倒的優勢によって,中国語は東アジア,東南アジアの周辺諸地域に大きな影響を与えてきた歴史を持つ。日本語は中国語と系統関係がないが,現在に至るまで所謂「漢語」の形で大量の語彙を受容してきたのもその一例である。

【中国語を学ぶために】

■ 発音について

中国語の発音の特徴として,以下の点を挙げることができよう。

1.音節構造が単純である。

2.各音節は“声调shēngdiào”(声調,tone)と呼ばれるピッチカーブを持つ。

3.音節頭子音の破裂音・破擦音に“送气音sòngqìyīn/不送气音búsòngqìyīn”(有気音・帯気音/非帯気音・無気音,aspirated/unaspirated)の対立がある。

4.音節末鼻音に[n]と[ŋ]の2種類がある。

5.“卷舌音juǎnshéyīn”(そり舌音,retroflex)と呼ばれる音節頭子音を持つ。

1.については,よく「IMVE/T」と表されるように,「“声母shēngmǔ”(音節頭子音,Initial)+“韵头yùntóu”(介音,Medial)+“韵腹yùnfù”(主要母音,primary Vowel)+“韵尾yùnwěi”(尾音,Ending)」と分節され,さらに全体に“声调shēngdiào”(声調,Tone)が加わるという構造である。I,M,Eはゼロである場合がある。図示すれば

I M V E T
l
i
a
ng
第三声(ˇ)
两liǎng
i
a
ng
第二声(ˊ)
阳yáng
l
a
ng
第四声(ˋ)
浪làng
l
i
a
第三声(ˇ)
俩liǎ
l
a
第一声(ˉ)
拉lā

 

のようになる。また,この他に音節末尾に[ɹ]を付加した(音節末で舌をそり上げる)“儿化韵érhuàyùn”(アル化音節)がある。

 2.は即ち上述の“声调shēngdiào”であり,音節全体に加わるかぶせ音素である。第一声,第二声,第三声,第四声の4種があり,それぞれ高平調,上昇調,低平調,下降調のカーブとして現れる。その他,先行音節に付随して発音され,独自の声調を持たない「軽声」がある。中国語においては分節要素が同じであっても声調が異なれば語彙的意味が異なる。例えば高平調の“妈mā”は「母」の意味であり,低平調の“马mǎ”は「馬」の意味である。

 3.については,中国語には,日本語の子音に見られる[k]/[g](カキクケコ/ガキグゲゴ)や[t]/[d](タテト/ダデド)のような清音と濁音の対立がなく,その代わりに強い気息(aspiration)を伴う[ph][th][kh][tɕh][tʂh][tsh]という子音と気息を伴わない[p][t][k][tɕ][tʂ][ts]という子音が対立するということである。例えば“趴pā”と“八bā”は日本語話者にはいずれも「パー」と聞こえるであろうが,中国語としては異なる音節であり,当然意味も異なる。

 4.については,“韵尾”として現れる鼻子音に[n](「n」で表記される)と[ŋ](「ng」で表記される)の対立があるということである。例えば“近jìn”と“静jìng”は日本語話者にはいずれも「チン」と聞こえるであろうが,中国語としては異なる音節であり,当然意味も異なる。

 5.は日本語話者にはなじみの薄い子音であろう。舌尖を歯茎後部に接触或いは接近させ,同時に舌根部を後退させて発せられる破擦音・摩擦音(接近音)である。[tʂh][tʂ][ʂ][ɻ]の4種がある。

■ 表記について

 中国語は勿論漢字で表記されるが,その字体は日本の常用漢字体とは異なる“简化汉字jiǎnhuà Hànzì”(一般に“简体字jiǎntǐzì(簡体字)”と呼ばれる)が正式の字体である。これに対し,日本の所謂旧字体に相当する字体は“繁体字fántǐzì”(繁体字)とよばれ,台湾等ではこの字体が用いられている。以下に各字体の違いの例を挙げる。

簡体字 繁体字 常用漢字 異同
簡≠繁≠常
簡=繁≠常
簡=常≠繁
簡≠繁=常
簡=繁=常

 日本語における漢字の読みは1音節のみならず,多音節にも相当する(「木 き,モク」,「土 つち,ド」,「寿 ことぶき,ジュ」)が,中国語において1漢字は原則として1音節に相当する(“木mù土tǔ”,“寿shòu”)。また日本語における漢字の読みは複数あることが少なくなく(「生 い(きる),う(まれる),は(える),なま,セイ,ショウ…),また異なる読みが必ずしも異なる意味を表すとは限らない(「生セイを受ける」,「誕生ジョウ)のに対し,中国語においてはある漢字の発音は一般に固定しており(“生shēng”),複数の発音を持つ漢字もあるが,その場合は語彙的意味が異なるのが普通である(“重量zhòngliàng”「重量」,“重唱chóngchàng”「重唱」)。

 漢字はそれ自体を見てもその発音を知ることが困難であるので,中国語の発音をラテン字母で表す“汉语拼音方案Hànyǔ Pīnyīn Fāng’àn”(日本では普通「ピンイン」と称される)と呼ばれるローマ字表記システムが制定されている。但しラテン字母の内“v”は用いられず,他に“ü”及び“ ’ ”が加えられている。また声調を表すための符号があり(第一声〜第四声をそれぞれ“ˉ ˊ ˇ ˋ”で表す),各音節の主要母音の上に付ける(軽声には符号を付けない)。
 「ピンイン」は将来的に漢字に代わる中国語の正規の表記法になるとされていた時期もあったが,現在ではあくまでも補助的な表記として位置付けられている。

 この他,辛亥革命後に制定された“注音字母zhùyīn zìmǔ”と呼ばれる表音文字システム(“ㄅㄆㄇㄈㄉㄊㄋㄌㄍㄎㄏㄐㄑㄒㄓㄔㄕㄖㄗㄘㄙㄚㄛㄜㄝㄞㄟㄠㄡㄢㄣㄤㄥㄦㄧㄨㄩ”等の字母及び声調符号を組み合わせる)もあり,現在でも台湾等で用いられている他,大陸の辞書等でも見ることができる。

■ 語彙について

 中国語は基本的に「1音節=1形態素」であり,大部分の音節は何らかの意味(語彙的意味或いは文法的意味)を持っている。また前述のように「1音節=1漢字」であることから「1漢字=1形態素」でもあり,大部分の漢字はそれぞれ何らかの意味を持っていることになる。
 但し形態素は必ずしも単語ではない。ある一つの音節(=漢字)が何らかの意味を持っていても,それが単語として用いられるとは限らない。例えば“哭kū”,“泣qì”はともに「泣く」という意味を持っているが,“哭kū”が「泣く」という動詞であるのに対し,“泣qì”は“哭泣kūqì”「泣く」,“泣诉qìsù”「泣いて訴える」等の単語を構成する形態素でしかなく,「泣く」という動詞ではない。「もう泣くな」と言いたければ“别哭了”と言うべきであり,もし“别泣了”と言ったらそれは“别气qì了”「もう怒るな」と理解されてしまうであろう。

 日常生活で多く用いられる「基本語彙」」には1音節の単語も少なくないが,多くの単語は多音節語,特に2音節語である。中華人民共和国憲法の冒頭に“中国是世界上历史最悠久的国家之一”「中国は世界の中で歴史が最も長い国の一つである」とあるが,この内1音節語は“”等の主に文法的意味を表す基本語彙であり,“中国世界历史悠久国家之一”はいずれも2音節語である。

 単語は語構成から単純語と合成語に分けることができる。単純語とは一つの形態素からなる単語で,一般に1音節の単語は単純語である。但し例外的に2音節以上の形態素も少数ながらあり,それからなる単語も単純語である。例えば“枇杷pípa”(ビワ),“蚯蚓qiūyǐn”(ミミズ),“轱轳gūlu”(車輪),“巧克力qiǎokèlì”(チョコレート)等は一つの形態素からなる単語であり,1音節ごとの意味はない。

 合成語は複数の形態素からなる単語で,その構成法には“重叠chóngdié”(重ね),“附加fùjiā”(付加),“复合fùhé”(複合)がある。
 “重叠”は同じ形態素を重ねて単語を作る方式で,“爸爸bàba”(父)等の親族名称に多く見られる。
 “附加”は語根となる形態素に接辞(接頭辞或いは接尾辞)となる形態素を付加して単語を作る方式である。「接頭辞+語根」の例としては“老鼠lǎoshǔ”(ネズミ)等があり,「語根+接尾辞」の例としては“椅子yǐzi”(椅子),“石头shítou”(石,岩)等がある。接尾辞の一つに“儿-r”があるが,これは1漢字でありながら1音節を成さない唯一の例外であり(“”には“ér”という発音もあり,これは原則通り1漢字=1音節=1形態素である),直前の音節(=漢字)と一体化して「アル化音節」と呼ばれる一つの音節をつくる。ピンインでは音節末尾に“r”を付けて表す。接尾辞“”を付加した単語の例としては“那nàr”(そこ),“玩儿wánr”(遊ぶ)等がある。
 “复合”とは複数の形態素を一定の文法的関係に従って配置して単語を作る方式である。「一定の文法的関係」には“主谓zhǔwèi”(主述),“述宾shùbīn”(動目),“述补shùbǔ”(動補),“连谓liánwèi”(連動),“偏正piānzhèng”(修飾),“联合liánhé”(等位)等がある。“主谓”は「主語-述語」の関係で,“心疼xīnténg”(寵愛する),“年轻niánqīng”(若い)等がある。“述宾”は「動詞-目的語」の関係で,“出版chūbǎn”(出版する),“满意mǎnyì”(満足だ)等がある。“述补”は「動詞-補語」の関係で,“改良gǎiliáng”(改良する),“证明zhèngmíng”(証明する)等がある。“连谓”は「手段-目的」等の関係で,“借用jièyòng”(借用する)等がある。“偏正”は「修飾語-被修飾語」の関係で,“汽车qìchē”(自動車),“重视zhòngshì”(重視する)等がある。“联合”は形態素同士が対等の関係で並ぶもので,“音乐yīnyuè”(音楽),“褒贬bāobian”(けなす)等がある。
 略語も一種の“复合”と言え,“人流rénliú人工流产réngōng liúchǎn”(中絶手術),“二战èrzhàn第二次世界大战dì’èr cì shìjiè dàzhàn”(第二次世界大戦)等がある。

 外来の事物や概念を取り入れて言語化する際,日本語では原語の意味を踏まえて「意訳」する場合と,原語の発音(或いはその一部)を日本語の音韻体系に沿ってカタカナで「音訳」する場合がある。例えば“boxing”を意訳して「拳闘」としたり,音訳して「ボクシング」とする。また“department store”を意訳して「百貨店」としたり,音訳して「デパート」とする。中国語でも同様に意訳と音訳があり,“电话diànhuà”「電話」,“科学kēxué”「科学」はそれぞれ“telephone”,“science”の意訳(かつて“德律风délǜfēng”,“赛因斯sàiyīnsī”という音訳語もあったが現在では用いられない)であり,“摩登módēng”「モダンな」,“巧克力qiǎokèlì”「チョコレート」はそれぞれ“modern”,“chocolate”の音訳である。音訳語を構成する個々の漢字は意味を表さず(即ち形態素でなく),全体で1形態素かつ1単語である。3音節以上の形態素は全てこのような音訳語である。この他,原語の一部を意訳し一部を音訳したものがある。例えば“冰激凌bīngjīlíng”「アイスクリーム」の“”「氷」は“ice”の意訳であり,“激凌”は“cream”の音訳である。また原語を音訳した上で更にその語が何に属するものであるかを明示する形態素を加えるものもある。例えば“啤酒píjiǔ”「ビール」は原語の“beer”を“”と音訳した上で更にそれが一種の酒であることを表すために“酒”「酒」という形態素を加えたものである。“英国Yīngguó”「イギリス」は“England”の音訳である“英格兰Yīnggélán”の略語“英”に「国」を表す形態素“国”を加えたものである。
 音訳は基本的に漢字の意味を考慮しないので,特に人名や地名の音訳では現代中国語では余り生産的でない,即ち余り多くの単語を構成しない漢字を用いることが多い。例えば“肯尼迪Kěnnídí”「ケネディ」,“巴基斯坦Bājīsītǎn”「パキスタン」等の漢字の並びを見れば大体は音訳語であろうと見当がつく。それに対し,商品名やブランド名等の音訳は相応しいイメージを喚起するような漢字を選ぶことが多い。例えば“拍立得Pāilìdé”「ポラロイド」や“席梦思Xímèngsī”「シモンズ」はそれぞれ“Poraloid”,“Simmons”の音訳でありながら同時に「撮ってすぐ完成する」,「マットレスで夢想する」の如き意味を髣髴させるような漢字を意識的に選んでいる。その他,“拖拉机tuōlājī”「トラクター」は原語“трактор”の音訳“拖拉”に更に“”「機械」という形態素を加えたものであるが,音訳部分は「引く,引きずる」の意味を持つ漢字を当てている。

 日本は歴史上長期にわたって中国の文化的影響を受けてきており,漢字の使用はその最たるものと言える。そのため系統の全く異なる日中両語でありながら,表面的には漢字を介して共通する語彙が少なくない。特に所謂「高級語彙」には中国語から取り入れられたものが大量にあり,また明治維新後西洋の事物・思想を表すために,日本で作られたり(「哲学」等),中国古典に見られる語彙に新たな意味を付与したもの(「文学」,「経済」等)で中国に逆輸入されたものも少なくない。また日本語独自の語彙(訓読みの漢字熟語)であったのががそのまま中国語に取り入れられたものもある(「場合」,「手続」,「取締」等)。
 しかし日本語における漢字の意味は多くが古代中国語の用法を引継いでいるのに対し,現代中国語では言語変化の結果,既に用いられなくなったもの(「箸」は現代中国語では“筷(子)kuài(zi)”)や,意味が変化したもの(「走る」は現代中国語では“跑pǎo”で,“走zǒu”は「歩く」の意味),形態素としては存在するが単語ではないもの(“泣qì”,“隐yǐn”等)が多く,漢字語彙であれば日本語でも中国語でも同じ意味であるとは到底言えない。

 「漢字で書けば日本語でも中国語でも同じ形」の語彙を「日中同形語」と呼んだりする(但し簡体字と常用漢字の字形の違いは考慮しない)が,その中には明らかに意味の異なるものがあり(“手纸shǒuzhǐ”「ちり紙」,“汽车qìchē”「自動車」,“娘niáng”「母」等),これらは少し学習すればすぐに覚えられよう。注意すべきは意味が近似していながら異なる語彙であり(“素质sùzhì”「教養」,“学生xuésheng”「小学生〜大学生(幼稚園児を指す場合もある)」,“夫妻fūqi”「夫婦」(「夫妻」に相当するのは“夫妇fūfù”),“批评pīpíng”「叱る,批判する」,“追尾zhuīwěi”「追突する」等),日本語の類推で安易に意味やニュアンスを判断してはならない。もっとも最近中国では特にインターネット上で日本語の漢字語彙をそのままの意味で使用する現象が増えている(“料理”,“人气”,“写真集”,“超可爱”等)。

 中国語では“书面语shūmiànyǔ”「書き言葉」と“口语kǒuyǔ”「話し言葉」の乖離が大きく,その中には文法上の違いもあるが,語彙の違いの方が顕著である。書き言葉では,古代中国語由来の語彙を用いたり(文法的意味を表すものが多い),話し言葉では単語として用いられない形態素を単語として用いたりする。また新聞記事,特に見出しでは略語が多く使用される。また手紙等では尊敬や謙譲を表す古代中国語由来の語彙がよく用いられる(そもそも書き言葉は一種の「敬語表現」として位置付けることができる)。但し近年では手紙文はかなり話し言葉で書かれており,論説文等でもあまりに「固い」書き言葉は少なくなってきている。

【中国語の学習リソース】

■ 辞書について

●中和辞書
○小学館『中日辞典 第2版』,2002。¥6615。
 スタンダードとも言える辞書。中国の商务印书馆《现代汉语词典》及び《现代汉语八百词》をベースとし,日本人学習者向けに改訂を加えた。

○東方書店『東方中国語辞典』,2004。¥5250。
 語彙数が若干少ないがこれもほぼスタンダード。こちらは商务印书馆《应用汉语词典》をベースとしている。

○講談社『講談社中日辞典 第二版』,2002。¥6825。
 これもほぼスタンダード。語義の「派生ツリー」が独特。

○白水社『白水社中国語辞典』,2002。¥8400。
 文型表示等,文法面の記述が詳しく,訳語にも独創性が見られる。但し初学者にはとっつきにくい面もある。

○三省堂『超級クラウン中日辞典』,2008。¥6300。
 『クラウン中日辞典』の改訂版。新語を多く収める。

○小学館『プログレッシブ中国語辞典』,1997。¥3675。
 小型で語彙数も多くないが,学習辞書として他の辞書には見られない独創性がある。

○大修館書店『中日大辞典 第三版』,2010。¥9030。
 収録語彙数が多い。付録の膨大な親族関係名称図はかなり役に立つ。

○三省堂『デイリーコンサイス中日辞典 第2版』,2005。¥2835。
 見出し字が単独で用い得るか否かを明示している。小型で語彙数も多くないが,説明は簡にして要を得ている。但し初学者が使うのは無理であろう。

●和中辞書
○岩波書店『岩波日中辞典 第二版』,2001,¥5250。
 中国語に限らず,「和〜辞書」は学習が相当進んだ段階でないと使いこなせるものではない。これは日本語の意味分析に定評があった『岩波日中辞典』の改訂版。

○小学館『日中辞典 第2版』
 商务印书馆《现代日汉语大词典》をベースとしている。

●中中辞書
商务印书馆《现代汉语词典 第五版》,2005。
 専門的に中国語を勉強するのであれば必ず持っていなければならない辞書。中国語話者向けであるが,外国人学習者にとっても有益である。1978年の初版以来,初めて品詞表示が付されるようになった。

商务印书馆《现代汉语八百词 增订本》,1999。
 機能語を中心に用法・意義を詳しく説明した辞書。非中国語話者を対象として編纂されたものであるが,中国語研究者であれば必ず参照する。こちらも専門的に中国語を勉強するのであれば必携である。増訂版になって,収録語彙が約800から約1000に増えたが,書名は変っていない。

■ 参考書

● 文法書
○輿水優・島田亜実著『中国語わかる文法』,2009,大修館書店。¥3045。
 大学で学ぶべき中国語の範囲を提示した『中国語初級段階学習指導ガイドライン』(中国語教育学会)に準拠しつつ,その内容を詳説した文法書。

○守屋宏則著『やさしくくわしい中国語文法の基礎』,1995,東方書店。¥2100。
 主に「フレーズ」を中心に中国語文法を説明した文法書。確かに「詳しい」が,必ずしも「易しく」はないかもしれない。

○相原茂・石田知子・戸沼市子著『Why?にこたえるはじめての中国語の文法書』,1996,同学社。¥2625。
 書名の通り,「如何に」のみならず「何故」をも説明しようとした文法書。中国語教師にとっても有用である反面,初級学習者には難度が高いかもしれない。

○相原茂・木村英樹・杉村博文・中川正之著『新版 中国語入門Q&A 101』,2003,大修館書店。¥2310。
○相原茂・木村英樹・杉村博文・中川正之著『中国語学習Q&A 101』,1991,大修館書店。¥1890。
○相原茂・荒川清秀・喜多山幸子・玄宜青・佐藤進・楊凱栄著『中国語教室Q&A 101』,1991,大修館書店。¥2310。
 上記3書は中国語学習者が抱くであろう疑問点をQ&A形式で説明した学習書のシリーズ。文法だけでなく,発音や表記,表現等,様々な問題が取り扱われている。

● 練習問題
○中国語友の会編『中国語 問題と解答 基礎編』1997,内山書店。¥966。
○中国語友の会編『中国語 問題と解答 中文和訳・和文中訳編』1994,内山書店。¥1575。
 基礎編は平易な問題が多いが,和文中訳となると相当手強い。

○中検研究会編『準4級問題集(2011年版)』2011,光生館。¥2205。
 「日本中国語検定協会」が毎年3回実施している「中国語検定試験」は,現在準4級・4級・3級・2級・準1級・1級の6レベルに分かれている。上記は2010年に実施された準4級の問題を収録し,解説したもの。付属のCDにはリスニング音声を収録。毎年準4級,3級,2級,準1級及び1級の問題集が出されている。級が上がるほど定価が上がる。2011年版は,4級と3級が¥2415,2級が¥2520,準1級及び1級が¥2730であった。

■ ラジオ・テレビの講座

○「テレビで中国語」(NHK教育テレビ):4月〜3月

  放送:月曜23:00〜23:25

    再放送:金曜6:00〜6:25

○「まいにち中国語」(NHKラジオ第2):4月〜9月(前期),10月〜3月(後期)

  放送:月~金曜 8:15~8:30

  再放送:月~金曜 10:30~10:45

再放送:日曜 11:00~12:15(5日分をまとめて放送)

○「アンコール まいにち中国語」(NHKラジオ第2):4月〜9月(前期),10月〜3月(後期)。

  放送終了

○「中国語入門I」(放送大学):初修前半。
  [第2学期] 金曜 23:15~24:00

○「中国語入門II」(放送大学):初修後半。
  [第2学期] 日曜 9:45~10:30

■ 語学学校

 中国語学校は全国に数多くある。以下に比較的歴史の長い学校を挙げる。

○日中学院
 中国語学校の草分けともいえる専修学校。
 〒112-0004 東京都文京区後楽1-5-3
 TEL:03-3814-3591 FAX:03-3814-3590
 http://www.rizhong.org/
○東亜学院
 19世紀末設立の「東亜同文会」の流れをくむ財団法人「霞山会」が運営する。
 〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-47赤坂霞山ビル
 TEL:03-5575-6303 FAX:03-5575-6309
 http://toagakuin.kazankai.org/ch/
○アジア・アフリカ語学院
 公益財団法人アジア・アフリカ文化財団が運営する専門学校。
 〒181-0004 東京都三鷹市新川5-14-16
 TEL:0422-48-5515 FAX:0422-46-5107
 http://www.aacf.or.jp/asia/

■ インターネット上の有用なサイト・ポッドキャスト

http://www.nhk.or.jp/gogaku/chinese/kouza/index.html
 NHKラジオ「まいにち中国語」の1週間遅れのストリーミング。

http://saigusa.com/
 三枝裕美氏による「Online Chinese パンダと学ぶ中国語」のサイト。一部の内容はiPhoneアプリケーションにもなっている(無料)。

http://www.seikei.ac.jp/university/law/chinese.html
 中国語e-Learningシステム“游”の中国語音声教育データベースシステム(要登録)。

http://coelang.tufs.ac.jp/modules/zh/index.html
 「東外大言語モジュール」の中国語部分。

■知っておくと便利なアドレス
●中華人民共和国大使館教育処
 〒135-0023 東京都江東区平野2-2-9
 TEL:03-3643-0305 FAX:03-3643-0296
 http://www.china-embassy.or.jp/jpn/jyylxsjl/

●提携大学
○北京大学(本部提携校,文理学部提携校)
 http://www.oir.pku.edu.cn/(国際合作部)

○鄭州大学(本部提携校)
 http://www.zzu.edu.cn/

○山東大学(本部提携校)
 http://www.cie.sdu.edu.cn/(国際教育学院)

○華東師範大学(文理学部提携校)
 http://lxs.ecnu.edu.cn/index.html(留学生弁公室)

○国立台湾師範大学(文理学部提携校)
 http://www2.ntnu.edu.tw/