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研究テーマ
単一分子性金属の開発
分子磁性超伝導体
新規な誘電性・磁性分子物質の開拓

 


━単一分子性金属の開発━
 これまでの分子性金属は通常二種類以上の分子種からできています。電気を流すパスを形成する分子が、そのパスの中に電子あるいはホールというキャリアーを発生させるためには、パスを形成している分子との間で電子のやりとりを行う分子種が必用だからです。ところがNaやCuのように一種類の分子からできた金属結晶を私たちは分子設計に基づいて合成することが出来ました。次にこうした一種類の分子種から成る超伝導体や強磁性金属等の実現を目指して研究を行っています。

 一種類の分子から出来た最初の金属結晶は硫黄原子を沢山含むπ電子の広がった配位子を持つニッケル錯体Ni(tmdt)2です(図1)。Ni(tmdt)2単結晶の室温伝導度は400 S cm-1であり、0.6 Kまで金属的な温度依存性を示します。この金属結晶は単位格子内には1個の分子しか存在せず、中心のNi原子が格子点に乗り、分子は極めて緻密な充填構造を形成しています。 この物質は磁気量子振動が観測され、この分子性結晶が金属の顔であるフェルミ面(図2)を持つ金属である実験的な証拠が得られました。


 ニッケル錯体と同じ結晶構造を持つ、中心金属が金の錯体Au(tmdt)2は分子が奇数電子を持っている点が偶数電子をもつニッケル錯体とは異なっています。伝導度は室温から4 Kまで金属的で110 Kという高い温度で反強磁性相転移をします(図3)。この転移温度は金属のMnよりも高い転移温度であり、このように高い温度で反強磁性相転移をする分子性結晶はこれまでに知られていません。