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栗田僚二さん

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栗田僚二さん

世界“初”の技術を開発中。この研究成果で、ノーベル賞を狙います。

栗田僚二さん

血管に埋め込まれた小さなセンサが、病気をいち早く発見してくれる……。そんな物語のような世界がもうすぐ現実になろうとしています。私が現在開発しているのは、1000分の1ミリの単位で設計された、肉眼で見ることはむずかしいほどの小さなセンサ。開発の目的は日本人の死亡原因の第2位である、心疾患の予防です。血管に埋め込まれたセンサが心臓の異常をいち早く察知し、データを無線で病院に送信することで早期発見・治療へと結びつける。実現すれば、現代病治療の切り札となる技術です。そのため、経済産業省主導の国家プロジェクトとして日本を代表する電機メーカー、医療機器メーカーと共に開発を進めています。

私がマイクロセンサの開発に携わるようになったのは、入社間もなく。NTTアドバンステクノロジ株式会社に入社後、幸運なことに社の代表としてNTT研究所の開発チームに参加する機会を得たのです。開発メンバーのリーダーである丹羽主幹研究員は、生体の動きを新技術の開発に活かすことを目的としたバイオセンシング研究の権威。ニューロコンピュータへの応用を目的に、ネズミの脳の働きを解明したチームの研究成果は、国内外で大きな反響を呼びました。

その丹羽研究員と共に進めている現在のプロジェクトも、たくさんの可能性に満ちた世界初の技術です。開発は決して簡単ではありませんが、「患者さんのためにも早く成功させて欲しい」と医師の方から声をかけられるなど、社会的に必要とされる技術だと実感できることが、大きな励みになっています。また、学生時代にゼミで学んだ半導体設計の技術にも、助けられているんですよ。

栗田僚二さん

この開発が成功すれば、きっと世界的なニュースになるでしょう。もしかしたら、ノーベル賞も夢ではないかもしれません。化学者なら、誰もが憧れるステージが近くにある。そんな喜びを味わうことができて、本当に幸運だと思っています。これから化学者を目指すみなさんも、ぜひ目標は大きく持って欲しいですね。誰にでも、チャンスは必ずあるはずですから。

もっと聞きたいことを、栗田さんに直撃QUESTION!

Q. なぜ、化学科を選んだのですか?
A. 理科、中でも化学が得意だったので化学科へ進学しました。化学は自分で手を動かして、モノを作る学問。反対に、物理は紙とペンで完結してしまう学問です。モノを作ることが好きで、将来も開発の仕事につきたいと思っていた私にとって、今の仕事は理想通りですね。
Q. 仕事中は、研究室にこもりきりなのですか?
A. 研究・実験は主にクリーンルームで行っています。クリーンルームというのは、チリやホコリが全くない実験室です。精密機器を開発しているので、チリやホコリが大きく影響するんですよ。論文を書く機会も多いですね。就職してから今まで、私が書いた論文は5本、共著では20本ぐらい発表しました。研究所にこもりきりと言えば、そうかもしれませんね(笑)。とはいえ、研究発表や学会参加のため、日本各地にも出向いています。
Q. お忙しそうですが、やはり残業は多いのでしょうか?
A. 独身時代は研究所で暮らしていました(笑)。研究に没頭すると、帰るのが面倒になってしまうんです。NTTの研究所は規模が大きく、社員食堂から、理髪店まであるんですよ。食事のメニューも豊富なので、3食とも食堂で食べていましたね。
Q. 学生時代も研究に没頭するタイプでしたか?
A. 研究室のみんなと、夜を徹して研究することも多かったですね。私の所属していた無機化学第一研究室のメンバーは男ばかり10人。みんなでワイワイ研究していると、あっという間に時間が過ぎてしまうんです。助手の中村先生も熱心な方で、イヤな顔ひとつせずに朝までつきあってくれました。仲間には、とても恵まれていましたね。今もよくみんなで集まるんですよ。先日は、当時の仲間と一緒に花火を見に行きました。

栗田さんの現在のスナップ&学生時代のスナップ

栗田僚二さん

左上は、無機化学第1研究室のメンバーと撮影したものです。後列の右から2人目が私。ご覧のとおり、見事に男ばかりでしょう(笑)。
続く写真は就職後のもの。真ん中の写真は、学会発表を行っているもので、下は現在配属されている、NTT基礎研究所の前で撮影したものです。

『化学と工業』は、先端技術を紹介する業界誌。この号は、ネズミの脳の働きを測定したチームの研究成果が掲載されたときのものです。研究員紹介の一番上に掲載されているのが丹羽研究員、2番目が私です。見えにくいと思いますが、ちょっと自慢したかったもので(笑)。

栗田僚二さん

NTTアドバンステクノロジ株式会社 栗田僚二さん

1992年、文理学部化学科入学。
卒業後、NTTアドバンステクノロジ株式会社入社。
同年、NTT厚木研究開発センタに配属。
現在、先端技術事業本部ナノエレクトロニクス事業部、バイオセンシング技術部の主任として、ナノレベルのセンサの開発を手がけている。